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何歳から何歳まで

市民の健康ガイド

何歳から何歳まで?

こんの優眼科クリニック 今野 優



 眼科の外来には、0歳の赤ちゃんから100歳を超えたお年寄りまで幅広い年齢の方がいらっしゃいます。そんな外来の中で「コンタクトレンズ(CL) 希望」という方もいらっしゃいます。「CL希望」で眼科を訪れる方の年齢層にも幅があります。学校検診で視力低下を指摘されたという小学生から、近くが見えにくくなってきたのでと仰る50代の方もいらっしゃいます。



「CLは何歳からしていいんですか?」


 外来診療で「CLは何歳からしていいんですか?」と尋ねられることがあります。私は「高校生から」がいいのではないかとお答えしています。現在は、ネットで検索して確認するということが、浸透していると思いますが、ネットで検索してみますと「小学生でも使えます」という記載が多くみられます。「小学生でも使えます」という表現は、間違ってはいないとは思いますが、目の健康を考えますと、私は小学生から使うことはお勧めしていません。



黒目の栄養は酸素


 CLは黒目(角膜といいます)に直接のせるものですから、黒目に必要な栄養である酸素の量がどうしても少なくなってしまいます。人生百年と言われるようになっていますが、人生の終盤まで黒目の透明性を保つことは、重要なことだと思われます。黒目が透明性を維持するためには、黒目に十分な量の酸素が届いていることが必要です。黒目の透明性を保つためには、黒目の内側にある角膜内皮細胞が、しっかりと働いている必要があります。角膜内皮細胞は、加齢とともに少しずつ減ることがわかっていて、黒目に十分な量の酸素が届かないと、加齢によるものよりも、さらに減ることもわかっています。黒目に十分な酸素が届かない原因として、CLの誤った使用が考えられています。誤った使用とは、長い時間つけている、きちんと洗わない、つけたまま寝てしまう、使用期限を超えてつけている、眼鏡を使っていない、検診を受けていない、そもそも眼科を受診せずにネットで購入しフィッティングが悪い、などです。黒目はレンズの働きをしていますから、透明性を維持することが大切なのです。黒目の健康を守るために、CLは正しい方法で使ってください。



黒目の知覚


 黒目はレンズの働きをしているために透明ですので、本来は血管がなく、涙から酸素をもらっています。黒目の透明性を維持するために、例えば異物が入った時などに、すぐに気がつくように、黒目の知覚は体の中でも一番敏感にできています。CLをしている方は、初めて入れた時のことを思い出してください。沁みるような違和感、異物感があったと思います。でも使っているうちに、その違和感はなくなっていたと思います。それはどうしてでしょうか。実は、黒目の知覚が鈍くなってしまっているからなのです。黒目の知覚が鈍くなることで、違和感なく使用できるのはいいことではありますが、本来危険信号として生じていた違和感を感じにくくなることで、黒目に傷がついていても、気がつくことが遅くなり、状態が悪化してから自覚症状として出てしまうために、早期発見を遅らせる原因になってしまうのです。



コンタクトレンズによるアレルギー


 現代社会では、花粉症やアトピーなどアレルギー素因を持つ方が確実に増えています。そして、CLがアレルギーの原因になることは、あまり注意喚起されていません。CLによるアレルギーでは、上瞼の裏の白目(上眼瞼結膜といいます)に炎症を起こすことが多く、悪化しますと瞼の裏がボコボコに盛り上がってくる(巨大乳頭結膜炎といいます)ことがあります。そうなりますと、瞬きのたびに、CLが上瞼にくっついて引き上げられるようになり、視力が不安定になったり、異物感が生じてきます。CLを使いたいお年頃に、使用できないということになりかねません。



「小学生でも使えます??」


 角膜内皮細胞減少、角膜知覚低下、アレルギーが生じる危険性がありますので、小学生からCLを使用することを私はお勧めしていません。もちろん高校生になれば、それらの危険性がなくなるわけではありませんが、アトピーがある方は特に早期の使用は止めた方がいいことをお伝えしています。例えば、サッカーなど眼鏡では試合に出られない、というような場合には、サッカーの練習と試合の時だけワンデーのCLにして、それ以外の時間は眼鏡で過ごすようにというお約束で、CLの使用を許可することはあります。



いつまで使えるの?


 それではCLは何歳まで使えるのでしょうか。角膜内皮細胞が正常値を保っていれば、使用できると考えています。今では、遠近両用のハードCL、ソフトCLもありますので、老眼になったからと言って、諦める必要は無くなりました。また、乱視用のソフトCL、乱視用の遠近両用のソフトCLもありますので、乱視の方にも対応できるようになっています。また3か月で新しいレンズに替えるタイプのより違和感の少ないハードCL、遠近両用タイプもあります。CLを老眼の年代でも使用するためには、角膜内皮細胞が保たれていることが重要です。先に書きましたように、正しいCLの使い方を守って、眼科で定期検査を受けて、年に一度は角膜内皮細胞をチェックしてもらって、CLライフを維持していただきたいと思います。



さいごに


 私は、19歳の時にソフトCLを使い始めました。近視が強いので、角膜の健康を守るために、23歳からハードCLに替えました。そして42歳から遠近両用ハードCLにして、老眼の進行に合わせて、近用度数を上げて対応してきています。毎日の眼科診療では、眼鏡を使うことなく、遠くも近くもよく見えています。もう40年以上CLを使用しています。CLの便利さを実感している者として、CLでトラブルを起こさないように、眼科での定期検診をお勧めしています。皆さんもCLと正しく付き合っていきましょう。

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